繍巧塾案内

近年、日本文化の見直しとともに、京都文化と「和」に対する再評価が高まりつつありますが、それを「伝える側」と「受け止める側」とをつなぐ機会が随分少なくなってきていると思われます。私共、京繍の世界も同じ状況です。
京繍の技術もさることながら、制作意欲を高揚させる日本文化に対しての理解が、京繍の伝統を連綿と受け継ぐ土台になると考えています。
京繍という日本の伝統工芸に携わり、それを受け継ぐものとして、学びたいという意欲に私共は応えていきたいと考えております。
「長艸繍工房」が運営するこの繍巧塾では、京繍の実際的な仕事に触れながら、茶道、長唄、能楽といった伝統芸能も学びながら、それらに関わる和装文化を総合的に学びます。
       単に技術の習得の場ではなく、多角的に日本文化への見識を深め、豊かな感性を磨く事を目的とし、広く塾生を募集いたします。

講師
長艸 敏明 作品制作指導、伝統芸能習得指導など
長艸 純恵 京繍基礎実技、着物着こなし指導、礼儀作法、所作、作品扱い指導など
長艸 真吾 美術基礎指導、一般教養(美術史基礎など)指導など
他、各講義やお稽古によってそれぞれの専門の先生方に外部から、
来ていただいております。
 

三年間のスケジュール

1年次 ●貴了館で実際の職人の仕事から接客まで実務に接し、 京繍の制作過程
(着物、屏風、和装小物、文化財修復、創作作品等)を学ぶ。
●着物の着方の習得
●美術用の基礎知識 日本美術史、西洋美術史等の基礎
●デッサン、色彩など美術実技基礎
2年次 ●茶道、長唄、能楽のお稽古を通じて伝統芸能、文化を実践的に習熟する。
●刺繍基礎(糸撚り、図案の書き方等)
●場合によっては進路指導、職業指導も行う
3年次 ●日常における礼儀作法、所作、御着物の扱いなど一般常識を習得
●京繍の技術習得
●卒業制作
 

補足:卒業後は、工房に職人として入門することが可能です。在学中には、卒業後の進路について相談する時間を多く設けています。

京繍の伝統工芸士を目指される方

伝統工芸士になるには 産地委員会を通じて受験申請を行い、(財)伝統的工芸品産業振興協会が実施する伝統工芸士試験に合格することが必要です。受験資格として、経済産業大臣指定伝統的工芸品の製造に現在も直接従事し、試験実施年度の4月1日現在12年以上の実務経験年数を有し、原則として産地内に居住していることが条件となっています。試験は知識試験と実技試験により審査されますが、12月中旬の合格通知後、産地委員会を通じて登録申請を行い伝統工芸士として登録されます。(日本伝統工芸士会HPより 転載)

以上の規定により、塾を卒業されました後、12年以上の実務経験に伴い京都に在住し、京繍の仕事に従事された場合しか取得することができませんので、ご注意ください。
卒業後、故郷に戻る予定の方は、京繍伝統工芸士の資格申請ができなくなりますので、よくご検討ください。

伝統工芸士の資格を取得しなくても、京繍の職人として仕事をしていくことは可能です。

塾生の生活

※職人と同じ生活スケジュールに加え 様々なお稽古や指導、講義やイベントなどがあります。
※原則、平日と土曜日の9時から18時まで(日曜、祝日、第二土曜は休日) が塾生としての活動時間です。
※場合によって、休日に能楽鑑賞や講義などもあり、 入塾中の全ての生活が修行中と考えていただけるといいかと思います。
※在学中は、学ぶことに専念してもらうため、アルバイトは認めておりませんので、働きながら学費を貯めることは不可能だとお考えください。

2012年2月現在、2名(女性2名<24歳><38歳>・男性0名)、見習い生1名(女性)が在籍しております。

笛のお稽古お茶のお稽古 刺繍
お稽古風景(左:篠笛 中:茶道 右:刺繍)

塾生の休日の楽しみ方(実際の例)

  • 学生時代にしていた楽器演奏の活動を続けるため、京都のアマチュアオーケストラに参加しコンサート出演も
  • 趣味のバイクで休日はツーリング
  • 京都のお寺の『お祭りのお手伝い募集』広告に応募し衣装を着てお祭りに参加
  • 食べ歩きをしたりしています など

部活などはありませんが、自分たちで部活を立ち上げてもらってもかまいません。
ひと月〜ふた月に一度、俳句を詠む会(自分たちで楽しむための)がございます。
毎回塾生の提出する作品が参加者(塾生以外からも参加されています)の人気を集めています。
他には観劇や美術館巡りなどは積極的に行くように勧めています。